【カメラ女子の一人旅】自殺の名所「東尋坊」と救いの電話




ありんこです。(プロフィールこちら

23歳のときに都会を出て、おだやかな瀬戸内の香川県へ…

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富士の樹海、栃木にある華厳の滝、高知の足摺岬と・・・日本国内でよく知られている、自殺の名所。

そんな中のひとつ、東尋坊へ行った当時の記録です。

 

東尋坊は、福井県北部の坂井市にある断崖絶壁

この断崖絶壁、今から1200万年ほど前に起こった火山活動でできた火山岩が、日本海の荒波による侵食によって、地表にあらわれたものなんだそうです。

ちょっとの間違いで足を滑らすと、日本海へまっ逆さま・・・。つまずきそうな場所がそこらじゅうにある上に、風もかなり強い。

安全柵もない岩場、けっこうギリギリの場所まで行っている人もたくさんいました。高所恐怖症のわたしは、そういう人たちを見るだけで足がすくんでしまいましたが。

ただ、グループで来ている人たちがほとんどでしたが、もし一人でふらっと訪れた人が、いつ岩場から海へ足を滑らせ落ちても、誰にも気付かれないような気も・・・。

 

日本屈指の自殺の名所?

平日の昼間にもかかわらず、それなりに観光客で賑わっていた東尋坊。

”自殺の名所”として有名な場所ですが、そういうイメージを払拭しようと、新しい飲食店をつくったりその他観光に力を入れたりと、地域全体で努力されているようでした。

その甲斐もあってか、ここで自殺が行われるなんて全く思えないほどの賑やかさ。

 

きっと、自殺をしようという考えで訪れる人はこんな昼間には現れないんでしょうが。

 

ここ一帯すべてを”東尋坊”と呼び、それぞれの岩に名前が付いていたりもします。

ちなみに本当かどうかは分かりませんが、多くの自殺者が飛び込むと言われているのが、「大池」という場所。

 

たしかに、とんでもなく高い場所。でも、もし飛び込んでそのまんまキレイに海に入り海底の岩などにもぶつからず、浮力によって浮かんできたら・・・死ぬことはできないんじゃないかと。泳げる人ならなおさら。

こういう場所で落ちて死ぬときの死因って、なんなんだろうと・・・。

そうふと考えて調べてみると、東尋坊から飛び込む自殺者のうち3割くらいは、自殺失敗によってただ怪我を負って帰ってくるとのこと。

やっぱり・・・。海に飛び込んで死ぬって、後の処理などのことを考えると誰にも迷惑をかけないのかもしれないけど・・・自殺が成功するのかどうかということを考えると、ちょっと際どい場所なようです。

 

遊歩道の静けさ

東尋坊と呼ばれる場所一帯には、整備された遊歩道が連なっています。

ただ、「夜間の通行は危険ですので午後9時以降は立ち入らないでください」と。

どういう意味で、危険なんだろか。そんなに恐ろしい動物が出るとも思えない場所だけど・・・。

ひとりで入ると迷う可能性はありますが(わたしも、迷いかけた)。

こうやって書いておくのも、自殺者を少しでも減らすための対策なんだろか。

そして、断崖絶壁が広がる一帯はたくさんの観光客で賑わっているにもかかわらず、遊歩道にはまったく人がいません。すぐ近くなのに。

 

公衆電話「救いの電話」

観光客で賑わっている断崖絶壁からちょっと外れた道へ入ると、ゴミ溜めのような状態になっている古い建物の奥に、ありました。

遊歩道の傍らにひっそりと設置された、公衆電話。

 

ゴミ溜めのようになっている建物は、2階建て。

もともと学校だったんだろか・・・けっこう立派な建物です。

 

東尋坊を離れ、まるで遠くまで歩いて来たかのように静まり返った場所。

 

「救いの電話」とか「命の電話」と呼ばれているこの公衆電話。

自殺をしようとこの場所を訪れた人が、この電話で誰かに、心の内を打ち明けられれば・・・自殺を思いとどまってくれれば・・・と、置かれた10円玉。

 

N.G.O月光仮面

さらに、とりあえず心を落ち着かせるためにと、タバコとライターが置いてあったり。

聖書や、”ここに電話をしてほしい”として書かれた電話番号がいくつも貼ってあったり。

 

そして、”NGO月光仮面”と書かれ、電話番号だけ書かれた名刺。

ちょっと気になって調べてみると、これは東尋坊での自殺者を減らしたいと、個人で活動している一人の男性によるものなのでした。

この”月光仮面”と名乗るおじさん、ときどき東尋坊をパトロールしては、ここの公衆電話に10円玉などを追加したり。

このおじさんによって救われた命が、いくつもあるそうです。

身のより所がない人、公衆電話ボックスに入ってはみたものの、どこにかけたら良いのか複雑な気持ちになる人たちはたくさんいるんじゃないかと。そんなときに、この”月光仮面”のおじさんが唯一の拠り所になった例はたくさんあるんじゃないかと、思ったのでした。

 

その他、いろいろな言葉と「ご自由にお持ちください」の文字があちこちに。

 

いつから貼られているんだろか・・・薄くなった字と錆びたホチキスの針。

死の間際にいる人たちは、こういう言葉をどうやって受け止めるんだろか。

 

電話ボックスから出ると、すぐそばは柵のない断崖絶壁。

 

東尋坊へのアクセス

東尋坊は、福井県北部。

電車の場合は、福井駅までJRで。その後「えちぜん鉄道」に乗り換えます。

  • えちぜん鉄道で「三国港駅」まで行き、徒歩40分ほど
  • えちぜん鉄道で「三国駅」または「あわら湯のまち駅」まで行き、バス

三国駅とあわら湯のまち駅からのバスは、平日は1時間に1本。休日は1時間に2本です。

 

 

ここ東尋坊、その他日本国内のある場所にまつわる、知られざる話がたくさん載っている、ちょっとこわいけどかなり面白い本です。

 

死体が流れ着く?「雄島」

東尋坊から、遠くの方に見える真っ赤な橋。

その橋の向こうにある島が「雄島(おしま)」です。

東尋坊で身を投げた人たちの死体が、潮流により集まると言われているのがこの場所なのですが・・・

次の記事で。

【カメラ女子の貧乏一人旅】死体が流れ着く心霊スポット「雄島」と掟

2018.09.16

 

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