「ものごとをありのままに見る」ヴィパッサナー瞑想10日間コースへ
香川県高松市内につくった小さなシェアハウス(ALINCO house)のオーナー、ありんこです。(プロフィールとシェアハウスの入居募集情報はこちらのページ)
女性シェアハウスのありんこハウスと、この冬新たに開業した男性シェアハウスのコアリンコハウス。入居希望はお問い合わせください!
シェアハウスをやっていると、いろいろと変わった人に会うことができます。良い意味で、変わった生き方をしている面白い人が多いですね!
そんな中、シェアハウス(ありんこハウス)に現在住んでくれているなかまから興味深い情報を入手・・・
10日間スマホも財布も筆記用具も使えず、ジェスチャー含め会話禁止、運動も禁止な集団生活
瞑想合宿から帰ってきました。
できることといえば瞑想と歩くことと考えること。辛いのかと思いきや、なんの無駄な情報も入らない超貴重で心地よい時間。
現代には思ってる以上に、刺激が溢れすぎてる。— ありんこ🐜 (@arinkolog) February 8, 2020
それは「ヴィパッサナー瞑想」という瞑想法を学ぶための11泊12日の合宿。
ひたすらになんの刺激もなく、ただただ自分自身と向き合う10日間です!
ヴィパッサナー瞑想って何?
まず、ヴィパッサナー瞑想って何?という方はこちら→『誰とも接触できない10日間!ヴィパッサナー瞑想へ行ってきます』
まあ簡単に説明すると・・・インドの最も古い瞑想法で、ヴィパッサナーとは「ものごとをありのままに見る」という意味。
この瞑想法を学べる、長期だったり短期だったりいろいろなコースの運営がすべて寄付によって賄われています!
一言で説明するのも難しいんですが・・・
ヴィパッサナー瞑想の目的
仏教やキリスト教などの宗派ができる前から伝わると言われるヴィパッサナー瞑想ですが、この古くから伝わる瞑想法を習得することによって達成できることというのは
「肉体の感覚と感情を切り離してとらえる方法を習得することによって、常に穏やかに平静さを保った生き方ができるようになる。」
というイメージ。
ヴィパッサナー瞑想の方法
瞑想と一口に言ってもその方法はたーくさんありますよね。ヴィパッサナー瞑想法については、以下のような方法で学んでいきます。
下のやつは、わたしが瞑想合宿を終えた直後にその意味や方法を忘れないようにと、スマホにメモした内容そのまんまです。
ちなみに瞑想合宿の最中は何かを書くこと、メモすることも禁止されてたんですよね。
- 呼吸に気付く。鼻を含む三角形エリアに生まれる感覚を意識
- 鼻の下の部分だけに意識を集中して生まれる感覚を観察。あったかいとか
- 頭から足へそれぞれのパーツごとに感覚を客観的に観察
- 上から下へ、下から上へ流れるように感覚を観察。全身に微細な感覚が生まれる?粗雑な感覚や何も感じない部分があればよく観察→これが過去の嫌悪や渇望の感情と繋がっているらしい
・起こってほしくないことが起こる→嫌悪
・起こってほしいことが起こらない→渇望
人間はサンカーラ(嫌悪や渇望)を次々を自分で生み出し、自分で苦しんでいる
サンカーラ(嫌悪や渇望)によって人はますます不幸になる。
過去のサンカーラは無意識のうちに体にも感覚として記憶され、感覚を観察したときの粗雑な感覚や何も感じない部分はそういうサンカーラを表す。ただ平静を保ち続ければ徐々に消滅していく。過去のものも。
体と心を切り離す。感覚をただの感覚として(感情に結び付けず反応もせずただ客観的に)ひたすら観察。
感覚を潜在意識下で感情に結びつけ反応しているのが通常の人間。感覚はただの感覚として客観的に観察し、ただ平静を保つ。
この世の全てのもの(感覚や人の体なども含む)は無常である。常に変化していて、生まれては消える。
なかなか説明するのも難しいんですが・・・とにかく、宗教的な儀式だとかスピリチュアル寄りの考え方とはまったく違っていて。
信じれば報われますよ〜という系じゃなく、実際に自分自身で体験して自分自身で正しい知識を身に付けなおかつ辛抱強く続けていくことによって、社会の中でも生きやすくなることが期待されますよ、という感じ。
沈黙の科学10日間で人生が変わるヴィパッサナ瞑想法 [ ウプカル ]
もっと詳しく知りたい人は、こちらも合わせて読んでみるのが面白いですよ!
10日間の瞑想法を学ぶコースに参加する前に読んでおくと、身の入り方がかなり違うと思います。
ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門 豊かな人生の技法 [ ウィリアム・ハート ]
こちらの本は、実際に普段からヴィパッサナー瞑想法を継続している人たちも進めていました。
ゴエンカ氏というのは現在日本を含め世界各国でヴィパッサナー瞑想法を指導している方で、今回のコースも全般的に、この方の録音音源を使って日々学んでいったのでした!
ヴィパッサナー瞑想10日間コースへ実際に行ってみた感想
日本国内でこのヴィパッサナー瞑想法を学ぶ合宿ができる施設は、京都府と千葉県にあります。
今回わたしが参加した場所は京都府の京丹波、かなりの田舎にある施設「京都ダンマバーヌ」。
施設に到着したら、真っ先に受付をしてスマホや財布、その他瞑想の邪魔になるようなものをすべて預けます・・・ここから、連絡手段も遊び道具もないただ自分自身とだけ向き合う時間が始まります!
コースの前後では、参加者同士コミュニケーションがとれるしスマホで写真を撮ったりもできますよ〜。
ヴィパッサナー瞑想10日間のスケジュール
こちらの記事→『誰とも接触できない10日間!ヴィパッサナー瞑想へ行ってきます』にも書きましたが、この瞑想合宿10日間のスケジュール。
実際には以下のような感じで進んでいきました。
- 4:00 起床
- 4:30〜6:30瞑想
- 6:30〜8:00 朝食と休憩
- 8:00〜9:00 グループ瞑想
- 9:00〜11:00 瞑想
- 11:00〜13:00 昼食と休憩
- 13:00〜14:30 瞑想
- 14:30〜15:30 グループ瞑想
- 15:30〜17:00 瞑想
- 17:00〜18:00 ティータイム
- 18:00〜19:00 グループ瞑想
- 19:00〜20:30 講話
- 20:30〜21:00 瞑想
- 21:00〜21:30 就寝
これが10日間続きます!
まず早朝4時に「カ〜ン!カ〜ン!!」と大きな鐘の音で起床。
あとはひたすらにスケジュールにそって自分の部屋(ドミトリースタイル)かホールにて瞑想。
洗濯(手洗い)やシャワーは休憩時間中に。
参加者は男女各30人くらいいたかな?みんなが同じ動きをするので、いろいろと混みます・・・
ヴィパッサナー瞑想合宿中のルール
さらに、10日間の合宿中に守らなきゃならないルールもあります。
- ケータイなど外部と連絡が取れる物持込み禁止
- その他の電子機器やカメラ、メモ帳や本なども持込み禁止
- お酒やタバコ禁止
- 華美な服装やカサカサと音の出る服も禁止
- 正午以降、食事をとらない
- ジェスチャー含め一切のコミュニケーション禁止
- 休憩中のウォーキング以外運動禁止
つまりは、指導者との最小限のコミュニケーション以外は外部と関わることが禁止。自分自身とだけ向き合えってことですね。
午後に食事を取らない・・・とあるのですが、初めての参加者にはティータイムの時間にフルーツやコーヒー、紅茶(牛乳や豆乳も)がもらえます。
2回目以降の参加者の人は、午後はティータイムの時間にハーブ茶のみ!ムリムリ・・・
あとはこんな感じで、自由に飲める水とお湯、温かいお茶が常に用意されています。
10日間のヴィパッサナー瞑想合宿へ行ってみて
こんな要領で10日間。
10日間スマホも財布も筆記用具も使えず、ジェスチャー含め会話禁止、運動も禁止な集団生活
瞑想合宿から帰ってきました。
できることといえば瞑想と歩くことと考えること。辛いのかと思いきや、なんの無駄な情報も入らない超貴重で心地よい時間。
現代には思ってる以上に、刺激が溢れすぎてる。— ありんこ🐜 (@arinkolog) February 8, 2020
上にも載せたTweetですが、帰ってきた直後の印象・・・
とにかく、本当に瞑想以外のやることがなく。歩くか考えるか寝るか、という感じ。
瞑想を日常に取り入れることって、生きていく上でプラスになるということはなんとなく知っていたのですが・・・わたしは普段から落ち着きがなく、瞑想をしようかと座って目をつぶってみても5分ともたない!
自分でもびっくりするくらいに瞑想ができなかったんですよね。もう邪念だらけ!
ただ今回のコースでこうして正しい瞑想法を教わり、その意味や歴史なども講和の時間に聞けた上で毎日毎日ありえないくらい多くの時間を瞑想に費やしてみると、意外とできたなあと。
もちろん全ての時間瞑想に集中できていたわけじゃないし、むしろ早朝の瞑想の時間なんて、ただ妄想の中にいたのか、眠っていて夢の中にいたのか自分でもわからないくらいに、瞑想に集中できなかった・・・
食事はほとんどがビーガン食。動物性のものを使っていない(朝食にパンやバターがあったり、牛乳が置いてあったりはしましたが)質素な和食という感じ。
玄米or白米と、おかゆやスープなど各日1品+ちょっとした副菜があったりなかったり。梅干しやゴマ、オリーブオイルやしょうゆなどが自由にトッピングできる形式。
たぶん味噌汁のダシとかも全部動物性のものを使っていないんで、昆布+野菜+キノコからのみのダシだったのかな?
最初の頃は「なんだか物足りないなあ〜」と思っていたのですが、日にちがたつに連れてこれが不思議!野菜やキノコという食材そのものの味がとっても美味しく感じるようになったんですよね!
食事時間含めどの時間にも、参加者同士でのコミュニケーション(ジェスチャーなど含む)はとれません。
みんな無言で過ごし、誰とも目を合わせません。
大きめの庭があるので、休憩時間中に歩いて気分転換をすることはできますね!
で、この休憩時間中の散歩がわたしはすごく癒しだったんですよね。
瞑想による効果か、情報や刺激が遮断された環境だからなのか、もうそこらにある植物だとか空とか山とか木とか、とにかく自然が美しくて超感動!
いや普通の田舎の風景なんですけど。しかもわたしが参加したのは真冬。咲いている花はツバキだけ。
それでもなんだかこう、毎日ちょっとずつ花開いていくツバキのつぼみの変化が美しくて。北風によって流れる雲の形が美しくて。
もちろん瞑想の時間にはできるだけ教わった方法の瞑想に集中します。
日数がたつにつれ、体全体の感覚が研ぎ澄まされて敏感になってくるんですよね。
頭の中がいろいろな記憶や情報で散らかることもだんだんとなくなり、瞑想に集中できるようになっていきました!
いやー本当に貴重な機会!
まず、もうこの現代でスマホをいじらない日なんて考えられないですよね。そんな中、10日間もスマホ禁止!完全に情報を遮断したことによって、心がとっても安静になっていた気がします。
もちろんスマホなどが返ってきて開いてみると、処理しきれないくらいの量の連絡などが入っていて・・・安静になっていた心がいきなり乱れそうになりましたが・・・
ヴィパッサナー瞑想10日間のコース。12日間も休みをとるのって難しいとは思うのですが、人生で一度は体験してみる価値のあるすごく良い機会だなーと。
そんなに長期の休みがとれるわけがない!という毎日頑張っている人こそ参加してみてほしいんですが・・・
でもそれがムリなら、ヴィパッサナー瞑想法を学んでみるだけでもかなり生き方考え方は変わるんじゃないかと思います。
沈黙の科学10日間で人生が変わるヴィパッサナ瞑想法 [ ウプカル ]
もし興味があれば、わかりやすくその意味と効果、方法を説明していくれている本でちらっと学習してみてください!
こちらの本もパパッと学習したい、入門編としてはかなり分かりやすいですよ〜
※ このブログを書いている、わたしありんこのプロフィールと、高松市内にあるシェアハウス「ありんこハウス」の入居募集情報はこちらのページからどうぞ。
シェアなかまも実際に参加してきたそう。
その紹介してくれた彼女が、実際に参加したときの感想はこちら→「シェアなかまが運営するブログ」