ありんこです。(プロフィールこちら)
なぜ、いくら人手を確保しても仕事ってなかなか終わらないんだろか。
どうしても残業をする人がいなくならないんだろか。
こちらの記事に詳しく書きましたが、それはきっと”仕事の早い人”と”仕事の遅い人”にも関係があるし、日本社会の「残業は美徳」みたいな風潮がまだ根強く残っているということにも関係します。
ただ、それだけじゃなかったのです。仕事が膨張する根本的な原因が法則として存在していました・・・それが、「パーキンソンの法則」。この法則を理解しているのとしていないのとじゃ仕事や日常生活の効率、生産性に大きな差が生まれます。
この記事では、そんな法則について簡潔に紹介しておきます。
まずはこちらの記事から→「働き方改革?溢れるムダな仕事と費用対効果の考え」
パーキンソンの法則とは:仕事量が無限に増える理由
パーキンソンの法則(Parkinson’s low)
イギリスの政治学者C.N.パーキンソンが1957年に発表した、人間の性質に関する法則。海軍の戦艦や軍人の数は減っているのに、海軍省の役人の数が大幅にふえている事実などから、役人の数というのは仕事の量とは無関係に増え続けるということ、さらに具体化し、第一法則と第二法則を提唱しました。
第一法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第二法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
人間は時間や空間、お金や物をある分だけ全て使ってしまう
なぜか締め切りギリギリになる
与えられた宿題や仕事をするのに、たとえば1ヶ月という期間が与えられたとします。
そうすると、なぜか人は1ヶ月まるまる使ってその宿題や仕事をこなそうとする。かけた時間が長くなればなるほどそのクオリティーが上がる、というわけでもなく。
大きな冷蔵庫が満タンになる
物が入りきるように、大きな冷蔵庫を買う。そうすると、余裕があったはずのスペースがなぜかいっぱいに・・・。
逆に、小さめの冷蔵庫しかないからそれを使う。そうすると、意外とおさまってしまう。
人間は、あればある分だけのスペースを使ってしまうもんなのです。
貯金ができない
気づいたら今月の給料がなくなっている人たち。このパーキンソンの法則に、典型的にはまっている人たちです。
給料のなかからこれだけは貯金しようと、給料が振り込まれた瞬間からその分のお金を他の場所へ移動しておくなど自分で使うお金を管理すれば、それは使えないお金として脳にインプットされるので心配ないですが・・・何も考えていなければ、基本的には人間ってあればある分だけのお金を使ってしまうという怖い性質をもっているのです。
パーキンソンの法則を理解して仕事の効率を上げ、残業をなくす方法
パーキンソンの法則によって、人が増えれば増えるほど仕事量も増える。
期限が延びれば延びるほど、仕事の完成が遅くなる。
こういう根本的な人間の性質があるからこそ、働き方改革だとかいくら言ったって、いつまでたっても残業はなくならないのです。
残業をなくす方法はただひとつ。
役員や従業員ひとりひとりがこのパーキンソンの法則を理解して、自分がそれにはまっていることを把握すること。
そして、それぞれが自分のなかでの余裕をもった時間の締め切りをつくる。
完璧に仕上げなくても終わらせる勇気をもつ。
100%完璧なものを作り上げようとするから、どんどん時間が延びていくのです。そして時間を延ばしても延ばしてもじつは100%完璧なものって作れないのです。区切りをつけるのは自分自身。
時間の期限がありそれが絶対守らなきゃならないものだと思っていれば、そこまでで100%完璧なものに近いものが作れます。完璧じゃなくても、許せる範囲のものは作れるはず。
パーキンソンの法則、つねに意識して仕事、日常生活に取り組みたいもんです。
パーキンソンの法則とおすすめの本

こちらが、C.N.パーキンソン著の「パーキンソンの法則 (至誠堂選書)」。時代はちょっと古いですが、人間の性質について細かく説明されています。

それから、こちらはパーキンソンの法則と仕事の関係、どうすればこのパーキンソンの法則に逆らった生産性の高い仕事ができるのかが分かりやすく説明されています。日常疑問に思っていること、よく当てはまることがたくさん入っているはず。→「仕事は半分の時間で終わる!」